剱岳北方稜線末端(富山) 烏帽子山(1274.1m)、鋲ヶ岳(861.0m) 2018年10月14日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 3:27 嘉例沢森林公園キャンプ場−−3:42 850m鞍部−−5:21 烏帽子山 5:23−−6:35 鋲ヶ岳最高点(東屋) 6:37−−6:39 鋲ヶ岳三角点−−6:46 850m鞍部−−6:53 嘉例沢森林公園キャンプ場

場所富山県黒部市
年月日2018年10月14日 日帰り
天候
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口のキャンプ場に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望どちらもあり
GPSトラックログ
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コメント嘉例沢森林公園キャンプ場から往復。雨の予報でできるだけ雨を避けるために夜明け前から行動したが結果的には雨に降られることは無かった。薄明りの烏帽子山山頂にはテントがあってびっくり。カモシカが多いようで登山道の湿った土に新しい足跡があったり藪の中でゴソゴソ動く音が数か所で聞こえた




雨を避けるため夜明け前に出発 ここから登り始める
850m鞍部で稜線に出る 良好な道が続く
反射板 夜景で富山湾が浮かび上がる
烏帽子山山頂にまさかのテント 烏帽子山から見た僧ヶ岳
烏帽子山三角点 烏帽子山主三角点
5時半過ぎに明るくなってきた 気温は約10℃
東の山並み 富山平野
展望台の案内 上部は樹林が開ける
展望台から富山平野が見下ろせる 鋲ヶ岳
鋲ヶ岳〜烏帽子山まで良好な道が続く 帰りの反射板
天池の標識 天池。稜線の直下にある
850m鞍部。今度は鋲ヶ岳へ向かう 相変わらず道はいい
鋲ヶ岳山頂(最高点) 鋲ヶ岳から黒部川上流を見ている
東屋付近に三角点が無かったので先へ やや下がった樹林に三角点発見
さらに北に下ると反射板あり 登山口に戻る
登山口 登山口
登山口到着


 僧ヶ岳から北に伸びる太い尾根上には烏帽子岳と鋲ヶ岳がある。ネット検索すると鋲ヶ岳西側直下に嘉例沢森林公園が整備され、そこから登山道が少なくとも烏帽子山までは伸びているようだ。公園の登山口から鋲ヶ岳まで標高差は約100m、烏帽子岳までで約500mで、大熊山の翌日に登る軽い山としては適度だろう。ネットの記録を見た限りではたくさんの記録が並び、登山道はしっかりしているようだ。

 ここは日曜日に登ることにしたが金曜夜の時点で天気予報は非常に悪く、富山から上越、長野北部は早朝から午前中は雨の予報。雨の降り出し時刻ははっきりしないが朝6時には降るようだ。今年夏場の北アルプスでは朝2時や3時出発が当たり前の行動を行ってきたので、今回もできるだけ早い時刻に動き出して雨に降られる時間を短くしようと思う。良好な登山道らしいので、大熊山のように雨が降っても体を濡らすような藪のはみ出しはほとんど無いだろう。

 大熊山を下山後に黒部市内で食料調達して嘉例沢森林公園へ向かう。車のガソリン残量が心もとないが、糸魚川くらいまではギリギリ何とかなりそうだ。地図を見ると嘉例沢森林公園へ向かう道はいくつかあるが、今回は黒部市街から最短距離ということ西側の田籾集落から上がることにしたが、普通車通行可能な道だろうか?

 東へと登っていき田籾集落の中で左に公園の案内標識を無事発見。普通の車で通行できる程度の道らしく一安心したのもつかの間、すぐに分岐があり、舗装はされているがいかにも道幅が狭く両側から草がはみ出した直進方向の道を指して公園となっていた。しかし地図を見ると左に曲がる太い道は途中で直進の道と合流するはずで、左の広い道を進む。こちらは片側一車線のすれ違いが余裕で可能な道で、こちらが本道のようにしか思えない。しかし先ほどの細い道と交差してさらに進んでみたが、地図表示どおり道が途中で途切れていた。残念ながらあの細い道を進むしかなさそうだ。Uターンして細い道に入り慎重に進んでいく。路面は舗装されているが車幅ギリギリまで草がはみ出していて、いかにも通行量が少なそう。案内標識も出てこないため公園まで通じているのか本気で心配したが、植林帯に入ってからは両側の盛大な草は無くなって通常の林道までレベルアップ(笑)。ポツリポツリと建物も見られるようになり、やがて太い舗装道に合流。こちらは本道であることに間違いなく、帰りに通ったところ「くろべ牧場」経由の道であった。そちらから向かっても距離的には大差なかったので今回はちょっと失敗だったか。

 太い車道をさらに上がっていき「キャンプ場」の案内で左折して車道終点の駐車場が鋲ヶ岳&烏帽子山の登山口であった。登山道入口を見る限りは予想通りのしっかりした登山道で藪の心配は無さそうだ。もう薄暗い時間帯だが車が1台駐車中。ここはキャンプ場なのでキャンプをしている人かもしれない。キャンプ場は駐車場の西側斜面にあるが管理棟などはなく、自由にテントを張れる様だ。真っ暗になる直前に車とバイクが上がってきてLEDライトでテント設営作業を行っていた。夏場はいいだろうが冷え込みが始まるこの時期にテントは山屋以外では物好きの部類に入るかも。夕方の天気予報でも富山の明日は降水確率が高く午前中は50%となっていた。まあ、大熊山のように藪で濡れることだけは無さそうなので、雨が降ったら傘で対処するか。

 翌朝は3時に起床し軽く朝飯を食って3時半に出発。当然ながら真っ暗で日の出は2時間以上先だ。上空は曇っているが雲を通して月明かりが判別できるので雲は薄く、まだ雨の心配は無さそうだ。さて、戻ってくるまで雨に降られなければいいが。本日はゴアだけでなく傘も持って出発する。

 登山道の整備状況は非常に良好で、道幅は広いし体に触れる藪は皆無だ。最初は植林帯を階段で登り、次はジグザグを切ってブナ中心の自然林の斜面を緩やかに登っていく。途中に幹が大きく曲がって登山道上を横断するようなブナがあり、その幹には3つの赤丸がペイントされていたが、登山道の印というよりも「頭上注意」のマークと見た。

 すぐにT字路に突き当たり、左が鋲ヶ岳、右が烏帽子山の標識あり。どうやら主稜線に乗ったらしい。今から鋲ヶ岳に向かうと山頂は真っ暗で何も見えないので後回しとして、まずは烏帽子山を目指すことにした。

 尾根を進むとまずは反射板に出くわす。感覚的にはここで道が右に折れる形となり、ちょっとの間だけまごついたが、他は藪に覆われて進めないのですぐに正しいルートが判明した。

 烏帽子山までは緩やかで長い尾根が続き、昨日の大熊山のような急な登りはない。尾根幅も太く顕著な尾根で、通常は幅がある=獣のルートもバラバラで獣道が無いに等しく、周囲の植生は低潅木が多く、道が無いと藪漕ぎが大変そうだ。登山道は基本的には尾根直上を通っているが、微妙に巻いている区間もある。その巻いている区間の途中に2箇所ほど尾根に通じる短い道があり、そこは樹林が切れて展望が開けた場所だった。夜間は真っ暗で何も見えないだろうとパスして帰りに立ち寄ってみたが、富山平野と富山湾、そして宇奈月温泉市街を見下ろせた。さらに1箇所には「天池」の案内があり、帰りに明るくなってから見えた池は稜線西側直下の小さなものだった。

 なだらかな尾根なので微小なアップダウンを繰り返しながら登っていく。たまに湿地帯のような湿った場所があり、横断用に置かれている枝の上や縁で通過する。こんな場所には新しいカモシカの足跡あり。真っ暗なので姿は見えなかったが、藪の中で大型動物がガサガサ動く音が数回聞こえたのがおそらく足跡の主だろう。長野も多いけど富山もカモシカが多いからなぁ。

 時々樹林が開けると富山市街地の夜景が遠くに広がる。市街地は沿岸部に広がっているので、光の分布で富山湾の形が分かるほど。上空には星は見えないが、相変わらず月明かりが雲を通して漏れているので、雲の厚さは薄くて今すぐ雨が降りそうな気配は無い。ここはアルプスの山とは違って暗い早朝から登る人はいないので、近くに登山者の光は全く無い。

 烏帽子山は顕著なピークではなく長い尾根の途中にある小ピークなので、真っ暗闇の中を歩いていると地形で山頂が近いかどうかの判断が難しい。高度計の表示が頼りだが、こうも山頂付近がなだらかだとほとんど役に立たない。山頂手前で道端に何やら標識があったが文字が薄くてはっきりと読めず、烏帽子山前峰とかそんな感じだったと思う。そろそろ山頂らしいがその後も微小ピークをいくつか越えて、やっと本当の烏帽子山山頂に到着した。

 山頂は樹林が開けて地面が露出した広場で山頂らしい雰囲気があった。まだ夜明け前で周囲は暗く富山市街の夜景が輝いていたが、僅かに空は明るくなり始めていた。三角点の他に主三角点もあったのは久しぶりか。予想もしなかったのは山頂にミニ万国旗と共にテントが張ってあったこと! ここで幕営とは珍しいが、おそらく私が登山口に到着したときに既に駐車していた車の主だろう。平地なのでテントを張るのにちょうどいいが、ここで幕営する必然性が思い浮かばない。あり得るとすれば、最終目的地は駒ヶ岳だが昨日の出発が遅かったのでここで幕営くらいしか思い浮かばない。ここは展望は悪くはないが水場は無いので登山口から担ぎ上げるしかなく、それなりの理由が無いとわざわざ幕営しないだろう。聞いてみたい気もしたがテントの中からは物音一つせず、まだ就寝中のようだ。邪魔しては悪いので暗い中を写真撮影だけしてすぐに退散した。

 帰りは往路を戻り、展望箇所の案内がある場所で尾根上に出て展望を確認。夜明けを過ぎて明るくなると、上空は思ったよりも雲が薄く青空が見える部分も結構あり、昨夜の予報より天気の崩れは小さかったようだ。ただし、後立山方面は赤男山は雲の下だがそれより高い朝日岳等は全て雲の中に沈んでいた。雲が無ければおそらく白馬岳も見えるであろう。東側の栂海新道の稜線は雲の下で、今年の残雪期に登った初雪山も見えていた。
 
 往路で稜線に出た850m鞍部を通過し、今度は鋲ヶ岳に向かう。確か案内標識では所要時間5分と出ていたはずで、地形図を見てもすぐ近くで標高差もほとんど無い。

 ブナに覆われた尾根を横移動すると東屋のある開けた場所に到着、鋲ヶ岳山頂標識が立っていた。展望は東から南側は開けるが富山平野側は樹林が邪魔して見えない。東屋内部には横に長い後立山〜僧ヶ岳の展望図あり。地形図を見ると山頂には三角点があるはずなので東屋周囲を捜索したが、石はあるが三角点は無し。もしかしたらもっと先に真の山頂があるのかと進んでみると、道は尾根直上から西を巻いて広い道がまだ続くが明らかに下り坂で、50m位先で反射板が立つ広範囲に伐採された開けた地点に出てさらに先の地形が見えたが、もう高い場所はどこにも無く明らかに行き過ぎだ。伐採地のすぐ手前の登山道が西を巻き始める箇所で尾根上に続く踏跡程度の薄い道があったことを思い出して、そこに入ってみると密生した樹林の真ん中で狭く刈られた空間に三角点があった。この場所は明らかに東屋のある場所よりも低い場所であり、真の山頂は山頂標識の立つ東屋で間違いなかった。真の山頂と三角点の標高と位置が微妙にずれている場合は三角点のある場所に山頂標識がかかり、最高点は藪の中というのが通常パターンだが、鋲ヶ岳は珍しくも山頂標識と真の山頂が合致していた。

 鋲ヶ岳から登山口までは僅か。登山口近くで登ってくる老夫婦とすれ違う。今は朝7時前なのでこの時間から登るのが常識的だろうが、私は既に行動時間は3時間半を越えて下山だ。老夫婦もまさか私が烏帽子山からの帰りだとは考えもしなかっただろう。

 駐車場に戻ると昨日夕方に上がってきた車とバイクのキャンパーが片づけ中。気温は+10℃ほどで薄手のダウンを着ていたがこちらはずっと歩き続けたので半袖のまま。先ほどすれ違った老夫婦のものと思われる車が1台増えただけだった。天気は明るい曇りで、最初から最後まで雨に降られずに済んだ。天気予報では関東は雨とのことで、当初の予報とは雨の降る範囲が大幅に変わっていた。

 心配していたガソリン残量だが、気温が下がりタイヤの空気圧が低下して燃費悪化の可能性があるので出発前に空気圧をチェック。低下していたので車載の電動空気ポンプで補充してから出発。最短距離となるように太く良好な道が続く「くろべ牧場」経由ではなく宇奈月温泉方面へと下る林道へと進んだ。道幅は細いが舗装道路で草のはみ出しは無く、往路の田籾から上がる道より安心して走行できた。国道へ出ても日曜日も営業しているガソリンスタンドが富山県内では見当たらず、途中で燃料切れ警告等が点灯して少々焦ったが、日曜も営業しているガソリンスタンドが出てきた糸魚川市街までどうにか持ってくれた。

 最近はガソリン価格は上昇の一途で長野県内では\160/リットル程度だが、糸魚川では\150/リットルだった。私の車では満タンで\300程度の差になるので無視できない価格差だ。どこに行っても長野のガソリン価格は他県より高い場合が多く、県外まで足を伸ばした場合は出先で給油することが多い。世界情勢を考えるとアメリカトランプ政権によるイラン制裁が解除されない限りはガソリン価格の高騰は続きそう。米中の貿易摩擦で世界経済が低迷すればガソリン価格は下落するだろうが、日本も不景気になるのはちょっと・・・。遠出せずに県内の未踏の山を優先した方が経済的なのだが、残りの山が少なく選択肢の幅が狭いので今後は近隣県の山、特に群馬、新潟、富山が多くなるだろう。

 

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